何気なく置かれたおしぼりが心身を癒してくれるのと同様に、日々の疲れを忘れさせてくれる旅先の光景を描きました。宿の部屋を開けると視界に飛び込んでくる、窓際二畳ほどの「広縁」空間。簡易なテーブルと椅子の向こうには山海の絶景。布団で思い切り体を伸ばすより、広縁空間のささやかな付随感覚がかえって贅沢に思えたり。私は通常の絵画制作でも旅をモチーフにしています。謎めいた旅荘やホテルのイメージの根源は、昔聴いたイーグルスの名曲【ホテル・カリフォルニア】。出口のない楽園、永遠の休暇を思わせるミステリアスな歌詞の「“Relax”, said the night man」というフレーズをアレンジして、今回の図案のタイトルをつけました。さあ貴方もリラックス!
齋藤芽生(Meo Saito)
推薦アーティスト
画家。1973年東京生まれ。旅の途上で目撃した光景を、虚実入り混じるイメージで細密に描く。喪われていく時代の遺物への眼差しと、詩的な言葉を絵画に配する文学的な作品世界が特徴。文章のみの作品や映像も手がける。主な展覧会に『線の迷宮Ⅲ:齋藤芽生とフローラの神殿』展(2019年、目黒区美術館/東京)、著書に『徒花図鑑』(芸術新聞社刊)等。現在、東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻にて教鞭をとっている。
齋藤芽生(Meo Saito)
推薦アーティスト
画家。1973年東京生まれ。旅の途上で目撃した光景を、虚実入り混じるイメージで細密に描く。喪われていく時代の遺物への眼差しと、詩的な言葉を絵画に配する文学的な作品世界が特徴。文章のみの作品や映像も手がける。主な展覧会に『線の迷宮Ⅲ:齋藤芽生とフローラの神殿』展(2019年、目黒区美術館/東京)、著書に『徒花図鑑』(芸術新聞社刊)等。現在、東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻にて教鞭をとっている。